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【2016ウィンブルドン】男子QF雑感etc [Tennis - Pro Tour]

 昨日の記事をUpした頃には、QFの試合が進行しておりました。
 そしてQFの4試合は、接戦あり完勝あり、大逆転劇があったりと中々の見応えだったようだが、全試合とも上位シードの選手が勝ち進むという結果に(カッコ内の青字の数字は試合時間)。 

  • Milos Raonic (CAN)[6]
       6-4 7-5
    5-7 6-4 Sam Querrey (USA)[28](2:31)
    ブレークポイントの奪取率が、ラオニッチが3/5、クエリーが1/2ということで、1セットに一度ずつ相手のサーブを破った方が、そのままセットを奪ったということか。ビッグサーブを武器にする両者だけあって、エースの取り合いになるかと思われたけれど、ラオニッチが13本、クエリーが15本と案外少ない。試合後のコメントを読む限り、お互い相手のサーブには上手く対応していたけれど、ネットプレーで相手にプレッシャーをかけ続けたラオニッチに軍配が上がったということなんだろう。これも臨時コーチとして迎えたマッケンローの効果のようで。
  • Roger Federer (SUI)[3]
      6-7(4) 4-6 6-3 7-6(9) 6-3 Marin Cilic (CRO)[9](3:17)
    ライブスコアでフェデラーが2セットを先取されたのを見て「一昨年の全米の再現かな、フェデラーもここで終りかもなぁ……」なんて思っていたが、そこからの大逆転劇でフェデアーが勝利。サービスエースがフェデラー27本、チリッチ23本というのは、両者が芝で5セットやれば不思議じゃない数字だけれども、注目したいのはダブルフォールトの数。チリッチが7本犯したのに対してフェデラーは0本。
    特に緊迫した展開になった第4セット、チリッチはフェデラーのサーブで3度MP(マッチポイント)があったが、そのうち2度はセカンドサーブになっている。ここで入れなければ無論試合は失うが、入れに行っただけでは当然相手のチャンスボールになる。そこをフェデラーは2度とも厳しい2ndを成功させて、チリッチの反撃を断っている。相手のMPで2ndサーブを打つなんて、テニスの試合じゃ最もビビる局面の一つなんだけれども、いやはや流石という言葉しか出てこない。2セットを先行し、3つのMPを逃したチリッチは、そこからメンタルを立て直すのが難しかったんだろう……そんなことをNHKの録画放送を見ながら感じた次第。
  • Tomas Berdych (CZE)[10]
       7-6(4) 6-3 6-2 Lucas Pouille (FRA)[32](1:54)
    Ace B10,P9 DF B3,P8 Br B4/8,P1/4
    実力差ということでは4試合中最も離れた2選手の対戦ということで、若手のプイエがどこまでベルディヒに喰らいつけるかという点で注目したのだけれど、4試合中唯一ストレートで勝敗がついた。
    第1セットは互いに1度ずつのサービスブレイクを奪いタイブレークの末ベルディヒが取る。第2セットはベルディヒが1度だけあったブレークポイントをきっちり取ったのに対し、プイエは同じく1度だけあったブレイクのチャンスを逃す。第3セットに入るとベルディヒは1stで91%、2ndでも70%近いポイント獲得率でプイエに付け入る隙を与えなかった。
    勢いが出ればベルディヒも喰らうかも?なんて思ったんだが、
    地力の差は埋め難かったようで。とはいえ、過去芝コートで一度も勝ったことのない若手選手が、この大舞台でQFまで勝ち進んだのだから、自信にはなったんじゃなかろうか。
  • Andy Murray (GBR) [2]
      7-6(10) 6-1
    3-6 4-6 6-1 Jo-Wilfried Tsonga (FRA)[12](3:53)
    AceM14,T15 DF M3,T7 Br M6/12,T4/13 W46-59 UE23-47
    フェデラーvsチリッチ戦とは逆に、マレーが2セット先行した時点で「よし、行けるぞコレ」な~んて安心していたら、あれよあれよの2セットオール。「ツォンガの爆発力は怖い」という予想通り、第3、4セットは果敢に攻めるツォンガのプレーが功を奏していたことが、数字からもうかがえる。
    第2セット以降の両者のサービスエース(SA)、ウィナー(W)/アンフォーストエラー(UE、凡ミスのこと)で比較してみると
    #2 Murray―SA:3、W:6、UE:1/Tsonga―
    SA:1、W:3、UE:12
    #3 Murray―SA:0、W:6、UE:2/Tsonga―SA:5、W:14、UE:8
    #4 Murray―SA:5、W:9、UE:6/Tsonga―SA:4、W:15、UE:7
    #5 Murray―SA:3、W:8、UE:6/Tsonga―SA:2、W:6、UE:8
    と、単純に言って、ツォンガが取った第3、4セットは、ミスよりもウィナーがずっと多かったということが見て取れる。テニスはウィナー(決め球)だけで決まるものじゃないが、このレベルになると自分からミスで崩れていくことはそうそうない(特にこの試合、マレーは常にウィナーの数が凡ミスを上回っている)。となれば―特に豪快なプレーが持ち味のツォンガとすれば―とにかくリスクは承知の上でアグレッシブにプレーするしかなく、それが上手く行っていた時はゲームもセットも取れたということなんだろう。
    もう一つは、ウィンブルドンはマレーの地元だったということ。もしこれが全仏だったならば、観衆の熱狂的なサポートを受けたのはツォンガの方だっただろう。
  • マレーはツォンガを倒すため、観客を味方につけた[The TENNIS DAILY]
  • 久方ぶりの英国人によるウィンブルドン制覇を期待を一身に背負っていた初優勝前と比べ、またデ杯優勝も経験したことで、マレーはロンドンの観衆の応援を重圧でなく、自分を後押しする力として御する方法を身に付けていたということなんじゃなかろうか。

 てことで、明日(7/8)に行われる準決勝の顔合わせは以下の通り。  

  • Roger Federer (SUI)[3] vs Milos Raonic (CAN)[6]
  • Andy Murray (GBR) [2] vs Tomas Berdych (CZE)[10]

 そういえば、イワン・レンドルがWB前哨戦のMS500、クィーンズ大会から、2年ぶりにマレーのコーチとして復帰している。どうしてもジョコビッチだけに勝てない状況が続く中、この現状を打破したいと全仏終了後にマレー自ら連絡を取ったのだとか(今年の全米オープンまでという話も)。
 ’14年3月で師弟関係を解消した(GSを2つ、ロンドン五輪金メダルなど成果が出たこと、またレンドルがアメリカでの事業を優先させたいという理由で)後、レンドルにコーチ就任を打診したのが、今回対戦するベルディヒ(ちなみに同じチェコ出身)なのだが、その際レンドルは「辞めたばかりだからその気はない」と断ったのだとか。が、今回マレーの要請を快諾……ベルディヒの心中は穏やかじゃないだろうな、とw  

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