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【2017全豪】男子ベスト8の顔ぶれ [Tennis - Pro Tour]

 このブログ、メインのコンテンツはテニスということになっておりますが、油断するとその話題がぱたっと音沙汰なしになりがちでして(昨年暮れにA・マレーが世界No.1についたこと、WTFで優勝を飾ったことも記事にしてないし……)。
 正直自己満以外の何物でもないけれど、やはり触れておかねばということで。

 先週16日に開幕した、今年最初のグランドスラム大会、全豪オープン。 
 やっと年始の気分が抜けきった頃だというのに、テニス選手はいきなり4大大会に挑まなきゃいけないのだから、過酷なものだよなぁ、と常々思う。寒い日が続く日本にいる身からすると、真夏のメルボルンが羨ましいけれども(-_-;)

 昨年末に悲願のNo.1を達成したA・マレー、全豪では昨年までの2連覇を含む6度の優勝を飾っている2位のN・ジョコビッチが8強に残れぬまま姿を消し、#5シードで迎えた錦織圭も、半年間の休養から復帰したR・フェデラーとのフルセットの激闘の末、Rd.4で敗れ去った。そんなこんなで今日(23日)男子ベスト8が出揃い、QF(準々決勝)の組み合わせが決まったわけで。

 以下、恒例の8強の顔ぶれと、私情入りまくりで全く当てにならぬ予想じみたものを。

  • Roger Federer [17] (SUI) vs Mischa Zverev (GER)
    過去の対戦はフェデラーの2勝。4年前のハレ(ドイツ)ではファデラーが6-0、6-0で完勝している……とはいえ、その時とは両者の力関係がだいぶ異なっている。8強入りの選手の内、唯一のノーシードであるズベレフだが、何しろRd.4で現No.1、優勝候補筆頭と目されたマレーを攻撃的なネットプレーを終始貫いて撃破する大金星をあげ、その勢いは相当のもの。一方のフェデラーは昨夏から半年間の休養を経てツアーに復帰して間もない。Rd.4では錦織とフルセットを戦い、フィジカル面での不安が皆無……ということはないと思う。
    とはいえ、ここは百戦錬磨、テニス史上最高のプレイヤーの一人に数えられるフェデラー。グランドスラムで強豪を倒す大金星を挙げて勝ち上がってきた相手を、苦もなく料理してしまったという場面は、これまでに何度も見せられている。記者会見ではズベレフを警戒するコメントをしていたけれども、フィジカル面で何らかのトラブルでもない限り、フェデラーがやはり優位ではないか。
  • Stan Wawrinka[4] (SUI) vs Jo-Wilfried Tsonga[12] (FRA)
    同い年で、実は誕生日も20日しか違わず(ワウリンカが'85.3.28、ツォンガが同4.17生)、プライベートでも仲が良かったというこの2人の対戦は、ワウリンカの4勝3敗と拮抗中。最後の対戦はワウリンカが初優勝を飾った一昨年の全仏SFで、グランドスラムでは全仏で3回('11、’12、'15)あるものの、その他のGSでは対戦がない。というより、初対戦だった'07のメッツ大会を除き全てクレーコートでの対戦となっている。
    ワウリンカは3年前にGS初戴冠となる優勝を飾っており、またツォンガは9年前('08)にマレー、ナダルを破って決勝に進出し、一躍名を轟かせた―と、全豪は両者にとってゲンのいい大会、といっていいかもしれない。このところワウリンカが3連勝しているとはいえ、好調な時は圧倒的なプレーでBIG4を屠るだけの爆発力を有するこの両者。過去7戦でストレートで決着した試合が一度もないことからして、縺れるのは必至かと。
  • Milos Raonic[3] (CAN) vs Rafael Nadal[9] (ESP)
    過去、ナダルの6勝2敗でグランドスラムでの対戦はなし。最後の対戦は今年年頭のブリスベンQFで、ラオニッチがナダルから2勝目を挙げている。
    昨年11月の最終戦でSFに進出、キャリアハイとなる世界ランク3位で迎えた今シーズンのラオニッチ。年頭のブリスベンでも優勝し、今大会も危なげなくQFまで駒を進めてきた。一方ナダルは、昨夏のリオ五輪でダブルスで金メダルに輝いたものの、上海MS後に左手首の故障のリハビリのためとして3か月ツアーを離脱、今シーズンからの復帰となった。今大会もRd.2では、次世代No.1候補の一人であるA・ズベレフに、セットカウント1-2から逆転、フルセットで振り切っての勝ち上がりとなっている(因みにこっちのズベレフ(アレクサンダー)は、マレーを破ったミーシャ・ズベレフの弟でもある)。
    過去8度の対戦では、'13年のバルセロナ大会を除いて全てハードコート。それでもナダルの5勝(2敗)なのだけれど、今年の全豪、特にセンターコートであるロッド・レーバー・アリーナは球脚がかなり速くなったという声もかなりあるので、カギはやはりラオニッチ最大の武器であるサーブの出来如何かと。サーブでのフリーポイントがあまり奪えず、ロングラリーに持ち込まれる展開となれば、やはりナダルに分があるのでは。
  • David Goffin[11] (BEL) vs Grigor Dimitrov[15] (BUL)
    ツアー大会本選レベルでは、ディミトロフの1勝('14全米Rd.3)。ツアー予選、チャレンジャー大会を含めてもディミトロフの4勝負けなしという成績。
    同じ片手バックハンド、プレースタイルの類似点(?)などから、"ベビー・フェデラー"という(本人にとってはやや不本意な)渾名を付けられ、かつては次のNo.1とも目されながらも、その後は伸び悩み、プライベート面での話題ばかり注目されることも多かった(一時期、あのマリア・シャラポワと交際していたことも有名)ディミトロフ。’14年の8位から一転、’15年は不調に苦しんでいたものの昨年になって復調の兆しを見せ、今年年頭のブリスベンではSFでラオニッチ、さらに決勝で錦織を破って3年ぶりのツアー大会優勝を飾っている。
    一方のゴファン。やや遅咲きでグランドスラム大会も20代になってから初出場('12全仏)という、やや遅咲きの選手ながら、ここ数年確実に力を伸ばしてきた選手でもある。グランドスラムでの8強入りは、昨年の全仏に続き2度目。身長180cmと現在の選手の中では小柄ながら、コートカバーリングに長けテンポの速いストローク、鋭いカウンターショットを持つプレイヤー。リターン力も優れていることは、今大会のRd.3で、ツアー界最強(最凶?)のサーブを持つ巨人I・カルロビッチ(Rd.1、2の2試合-8セットで何と94本のエースを記録!)を、ストレートであっさり下していることでも証明されている。
    さてこの両者……Rd.3で#18シードのR・ガスケを、さらにRd.4では、ジョコビッチをRd.2で破って世界のファンを驚かせたD・イストミンを破って勝ち残ったディミトロフに対し、サーブ王カルロビッチに続き、Rd.4では次世代トップ勢のライバルでもある#8シードのD・ティエムを下して勝ち上がってきたゴファン。共に調子は良さそうなので、どうなるかは正直予想がつかない(^^;)攻撃的なプレーで勢いに乗ったならストレートでディミトロフ、一進一退の展開でファイナルセットまで縺れるようならゴファン、と予想(根拠はありませんw)。

 はい、例によって予想の根拠はほとんどないし、多分に私見も混ざって(というか大半が)おります。
 とはいえこれほど、ベスト8の時点で誰が優勝するかほとんど予想がつかないグランドスラム大会というのも久しぶりな気がする。いつもながらライブでは見られない(WOWOW未加入の為)ので、NHK地上波及び公式サイトのハイライトしかチェックできていないけれど、過剰に肩入れしたい選手がもういない分w気楽に楽しめるかなぁと(^^;) 

※選手名のところに、ATP公式サイトの選手別プロフィールのリンクを張りました。
 選手の顔が気になる?方は一度チェックしてみて下さいまし……。 

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「世にも奇妙な人体実験の歴史」 [Book - Public]

 自らの理論を信じて自分の肉体で危険な実験を行い、今日の医学、科学の礎を築いた科学者たちによる、驚異のエピソード。

「世にも奇妙な人体実験の歴史」 T・ノートン著(文春文庫刊)

◆内容紹介(裏表紙から)
性病、毒ガス、寄生虫。麻酔薬、ペスト、放射線……。人類への脅威を解明するため、偉大な科学者たちは己の肉体を犠牲に果敢すぎる人体実験に挑んでいた! 梅毒患者の膿を「自分」に塗布、コレラ菌入りの水を飲み干す、カテーテルを自らの心臓に通す―。マッド・サイエンティストの奇想天外、抱腹絶倒の物語。解説・仲野徹 

 書店で平積みされた本書を見て、「人体実験の歴史」というタイトル、そして帯に大書された”マッド・サイエンティストの世界へようこそ!”という文字に、SF作品に数多登場する―研究のためなら他者の命など何とも思わぬ、いわゆる"マッド・サイエンティスト"の異様な話ばかりかと想像してしまった。

 確かに中盤まではそういった科学者や医師、さらには金儲けのために胡散臭いインチキをやらかした輩も登場するし、また壊血病(ビタミンC不足によって19世紀までの船乗りが悩まされた疾患)の原因となっている、食物に含まれる不可欠な「何か」を探るため実験台となったのは孤児院の子ども達だった―という(第9章「偏食は命取り―ビタミン」)。この辺りは当時の常識や階級意識、現在とは大きく異なる社会的な倫理観等も関連してくるのだろうが。
 但し、第3章「インチキ薬から夢の新薬まで―薬」で記された、独テジェネロ社開発の新薬臨床実験によって6人の犠牲者(生存はしているが―)を出した'06年の事件は、今なお臨床試験という名目で人体実験が行われることを求められる新薬開発の実情と、そこに含む危うさを示しているように感じられる。

 だが、本書に書かれたエピソードの大半を占めるのは、研究のために文字通り自分の体を実験台にした、あるいは危険極まりない領域へ自ら踏み込んでいった医師や科学者たちによるもの。
「麻酔は何が有効なのか」、「放射線は人体に如何なる影響を及ぼすのか」、「なぜ違う血液型を輸血しては(基本的に)ダメなのか」、「海に潜ったらなぜ急に浮かび上がってはいけないのか」etc……現代では常識となっているような事柄はどれも、彼ら自らが身体を張った研究によって解明され、確立されたものなのだ。
 無論、その「研究のため」という目的は往々にして、病気や苦痛に苦しむ患者、人類、あるいは国家のためという高尚なものというよりは、研究者本人の―傍から見れば常軌を逸していると思えるほどの―強烈な知的好奇心からくるものなのだが。  

 終盤の第12章「爆発に身をさらし続けた博士―爆弾と疥癬」以降、
「毒ガスと潜水艦(敵が用いる毒ガスへの対策のため、研究者は毒ガス中毒になりながらガスマスクを作った)
「漂流(海難者が生き延びるためには、海水を飲んでも大丈夫なのか)
「サメ(海難者にとって、飢餓や乾きと同様人食いザメも恐ろしい存在だった)
「深海(潜水病対策の研究は、やがて深海への挑戦へとつながっていく)
「成層圏と超音速(深海へ挑んだO・ピカールは、気球で成層圏へも挑んでいた)
と続くが、この辺りは科学史というよりはもはや、冒険譚を読んでいるような。

 彼らのような、優れた知性、蛮勇と言えなくもない勇気、そして何よりも並外れた好奇心の持ち主が、現代科学の礎を築いてきたことは間違いない。彼らが単なるマゾヒストでも自殺志願者でもなかったことは

―多くの自己実験者がほとんど考えられないような極限状態を体験したが、自分の仕事にはそれだけの価値があると信じていたが故に、彼らは実験に伴う危険にも不愉快さにも淡々と耐えた。それらの多くがきわめて高度な研究であったことは、ノーベル賞受賞者に占める自己実験者の割合の高さによって証明されている。 

という「あとがき」の一文でもわかる。

 言ってみれば古今の科学史のこぼれ話を蒐集した本と言えなくもないのだが、ここまで集まると凄絶ですらある。   

 

 大阪大医学部教授、仲野徹氏による特別集中講義「人体実験学特論」という体裁の解説も、内容をコンパクトかつ要領よく紹介する内容になっていて秀逸。
 書店で本書を見かけたら、まず解説から目を通してみるといいかもしれない。  

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新年…… [Greetings]

 年(齢)を取る毎に、年(期間)が明けるという感覚が薄れてくるのは、普通なんでしょうか。

 明けましておめでとうございます。
 1か月半ぶりの更新が、新年のご挨拶となりました。

 今年がよりよい一年でありますように。  

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