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「恐怖のハロウィーン」 [Book - Horror/SF/Mystery]

 SF界の巨匠アシモフらによる、"ハロウィーン"テーマの恐怖小説アンソロジー。

「恐怖のハロウィーン」編)I.アシモフ他(徳間文庫刊)

◆内容紹介(裏表紙から)
ハロウィーンは三つの分野で文学に影響を与えている。ミステリでは、ハロウィーンの雰囲気はすでに与えられているサスペンスを高める役割を持っている。ファンタジーでは、祭典とは不可分の魔女、小鬼、悪魔に深く根をおろしている。ホラーでは、その日にまとわりつく悪の臭気を利用している(編者序文より)。巨匠アシモフが十月三十一日、万霊節前夜(ハロウィーン)の戦慄をテーマに選び抜いた珠玉アンソロジー十三編。


 昨秋の神田古本まつりで購入していた1冊。1年越しにハロウィーンに合わせて読んでみた(ブログ記事にするのに時間がかかってしまった)。

 表紙には編者としてアシモフの名前だけだが、実際はアンソロジストとして名高いM.H.グリーンバーグやキャロル=リン.R.ウォーらとの共編らしい。このメンツでの恐怖小説アンソロジーというと、新潮文庫から出ていた「クリスマス13の戦慄 」「バレンタイン14の恐怖 」を以前読んでいたことがあった。なんでこれも新潮文庫から出なかったのかとも思ったが、文庫版の刊行は34年前の1986年。当時はハロウィーンという慣習(イベント)について日本では今ほど馴染みがなかったから、見送りになったのかも。

 で、こちらは徳間文庫から刊行されたわけだが「奇妙な世界」さん(Twitter:@kimyonasekai)によるとこの兄弟本?として「戦慄のハロウィーン」なるものも出ていたとのこと。
 読み進めていくと、タイトルからイメージするような怪奇幻想やホラーばかりでなく、ミステリもいくつか含まれていることに気付く。これは上述の「クリスマス13の戦慄」など、編者が共通するアンソロジーにも言えることで、そういう編集方針だったのだろうなと。

 収録作は全13篇(この数字にも拘ったんだろうなきっと)。
 以下、簡単な感想など。

序文 邪悪の力(I.アシモフ)
 アシモフによる序文。未だ日本人にはほぼ馴染みのないハロウィーンの起源と歴史に関する内容は、読み物としてとても面白い
ハロウィーン(I.アシモフ)
 盗まれたプルトニウム(!)を探すミステリ仕立てのショートショートというか、小咄。
忌まわしい異種交配(W.バンキア)
 ジャンボ野菜作りに取り憑かれた男の凶行が呼ぶ悪夢。邦題で7割ネタバレ気味w
ハロウィーンの殺人(A.バウチャー)
 シカゴから逃げて来た男が殺害された。銃痕から犯人は5フィート前後の小柄な佝僂(せむし)と思われたが。ミステリの小品。
十月のゲーム(R.ブラッドベリ)
 このテーマのアンソロジーでは頻出の逸品。ラスト1行で肌が粟立つのもさりながら、その前に至る主人公の心理がなんとも厭。
ハロウィーン・ガール(R.グラント)
 夜の世界を少年と少女。2人はハロウィーンでの仮装を心待ちにしていたが。微笑ましくも切ないラスト
吸血鬼の日(エドワード.D.ホック)
 保安官のフランクは、町外れで見つかった浮浪者の死体に血が一滴もなかったことを葬儀屋から知らされる。保安官選挙を控え、フランクはそれを黙殺する。怖いのは吸血鬼か、それとも人間の権力に対する欲望か。
小鬼の夜(T.パウエル)
 8歳のボビーは生れて初めて万引きをした。ハロウィーンの夜のある計画のために。小鬼=アンファン・テリブルもの。
死んだ猫の事件(E.クイーン)
 名探偵のエラリイと秘書のニッキィはハロウィーンの夜、猫の仮装パーティーにへの招待状を受け取る。ゲーム最中の暗闇の中、参加客の一人が殺害された。ユーモラスな感じのミステリ仕立て。
パンプキン・ヘッド(A.サラントニオ)
 転校生の内気な少女が語り始めた不気味な話。不穏さを覚えた教師は結末の前に話を打ち切らせるが。あのカボチャのお化けのイメージをストレートに物語にしたような、ハロウィーンっぽさでは収録作一。そう言えばいじめられっ子がカボチャの仮面をかぶり復讐する、というマンガを近年目にしたような……。
輪廻(L.シャイナー)
 例年ハロウィーンの夜に行なう怪談朗読会。今年は欠席したメンバーが送ってきた物語は『輪廻』と題されていた。物語世界に取り込まれていく現実。
万霊説前夜(I・ウォートン)
 郊外の邸宅に住む未亡人が自宅で過ごしたハロウィーンの異様な一夜。亡霊も怪物も狂人も登場せず、惨劇どころか血の一滴すら出ていないのに、じっとりと怖い。
昨日の魔女(G.ウィルスン)
 子供達の間で魔女と噂され恐れられていた老女ミス・マーブル。13歳のハロウィーンの夜、ぼくは勇気を振り絞ってマーブル家のベルを押す。老女は本当に魔女だったのか否か。
今年の生贄(ロバート.F.ヤング)
 不運続きで求職中の男が職業安定所の受付嬢からメモを受け取る。メモには自分が魔女であること、彼に危難が迫っていることを告げるものだった。性悪な魔女と言えど※には勝てない、という設定がユニーク。


 コロナ禍で今年は数多くのイベントや催し物が中止となった。ハロウィーンにしても―昨年のような渋谷の乱痴気騒ぎは当然論外だけれど―また気軽に"季節の風物詩として"多くの人が楽しめるような状況になって欲しいと切に思う。
 ……ハロウィーンの起源や元々の意味は置いといて。

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「ダーク・ロマンス《異形コレクション49》」 [Book - Horror/SF/Mystery]

 9年余の眠りから目覚めた伝説の書き下ろしアンソロジー・シリーズ、待望の復刊第1弾。

「ダーク・ロマンス ≪異形コレクション49≫」監修)井上雅彦(光文社文庫刊)

◆内容紹介(裏表紙から)
九年ぶりの復活!新たな伝説の始まりです。
闇を愛する皆様、
闇のなかで燦めく「想像の力」を信じる皆様、
怪奇と恐怖、幻想と驚異、人外の唯美……。言葉の力で現実を超えようとする小説の作者と読者の皆々様、
そして、なによりも……異形の短篇小説を愛してくださる皆様。
お待たせいたしました。
四十九冊目の《異形コレクション》をお届けします。 (編集序文より)


「異形コレクション」が今秋に復活することを知ったのは、監修者である井上雅彦氏の8月頃のツィッターにて。'97年の創刊からずっと読み続け愉しんでいたシリーズだけに、2011年の48巻『物語のルミナリエ』を以て長い眠り……休刊状態に入ったのは(3.11という未曽有の事態があったが故であるが)残念に思っていた。その辺りは編集序文で語られているので以下略。
 それが噂やあやふやな情報でなく、他ならぬ監修者自身の口(ツィートだけど)から明確に"復活"が宣言されたのだから、嬉しいやら期待が否応なしに膨らむやら。

 復刊第1弾(通巻で第49巻)のテーマは『ダーク・ロマンス』。23年前の創刊第1巻のテーマが『ラヴ・フリーク(異形の恋愛)』を思い出し、それとの関連を思い浮かべてしまったのだが、編集序文によると「モードの世界におけるトレンドの《ダーク・ロマンス》」がモチーフであり、かつロマンスという語句自体、元来は中世に"ロマンス語"で書かれた「空想・冒険・伝奇的物語」であったらしい。そういったことを含め、もっと広義の―まさしく「異形コレクション」そのものと言えるようなテーマ、なのだとか。
 参加作家もシリーズ草創期からの常連陣から、休刊中にデビューを飾った若手まで幅広い。「《異形》を読んで育った」というような若い作家が参加しているというのも、シリーズ自体が長命であること、そして眠りの期間が短くも長かったことを示しているのだろう。

 本を開く。まず伯爵―井上氏の前口上が何とも懐かしく、そして嬉しい。
 本編は15篇収録。以下各作品について手短に。

・夕鶴の郷(櫛木理宇)
 深夜バイクで事故に遭った男が目覚めたのは、病院のベッドではなく山村の古びた民家、側にいたのは見知らぬ老爺だった。かいがいしく世話を焼く、老爺の孫と名乗る娘は、男が捨てた恋人に似通っていた。
―タイトルからもわかるように戯曲『夕鶴』をモチーフにしているが、終盤で繰り広げられる地獄図絵はかくも悍ましい。小松左京「保護鳥」や篠田節子「神鳥-イビス-」を思い出した。
・ルボワットの匣(黒木あるじ)
 バーで横の席に現れた老齢の男は、「私」が自死を選ぶか、若しくは人を殺めるか迷っていることを看破する。彼は人殺しの告白を聞いて欲しい、と語り出す。
―男が取り出した箱の呪い……その正体に中盤までに勘付く読者も少なからずいるかもしれない。ラストまで読むと、老人の最初の台詞が既にヒントになっていたことに気付く。
・黒い面紗(ヴェール)の(篠田真由美)
 芸術家の卵として仲間たちと、"巣"と呼ぶロンドン郊外の邸宅に寄宿していた「私」は、母親の容態が悪いと聞かされ、急遽実家へ連れ戻される。一週間後"巣"に戻ると、そこは異様な静けさに包まれていた。
―面紗(ヴェール)の下にあった女の顔は一体何だったのか。ラスト後に起こった(と思しき)惨事を考えるに……。
・禍 または2010年代の恐怖映画(澤村伊智)
 関係者の身や撮影現場で次々と起こるトラブルのため、ホラー映画『禍』の撮影は遅れに遅れていた。「―この映画は呪われている」そんな噂が以前から絶えない、そんな映画だったが―。
―ある種の粘度と質量を持ったような禍々しさが行間からじくじくと滲み出てくるような感覚は、この作家の真骨頂だと思う。
・馬鹿な奴から死んでいく(牧野 修)
 魔術医の「俺」は街中で傷ついた少女を助けたが、少女は悪名高い魔女の所有物だった。少女を返すことを拒んだまではよかった、が。
―牧野修って以前はこんな感じじゃなかったよなと思いつつも、魔術医と子犬のコンビは読んでいて楽しい。世界があんなんなっちゃ続篇は期待できなさそうだが。
・兇帝戦始(伴名 練)
 敵対する氏族に追われていた族長の息子の窮地を救ったのは、彼の氏族に身を寄せていたゲンギケイだった。海の向こうの異国から流れて来たという美しいその男は、時に不思議な力を揮う、謎の多い男だった。
―日本史上でも特に有名なあの伝説を下敷きに……と見せかけて、こっちを持って来たか!という仕掛けに思わず、にやり。この辺りから若手……《異形》休刊中に登場した作家の作品が再び続く。
・ぼくの大事な黒いねこ(図子 慧)
 チェコの医大生である僕はとある財団の駐在員でもあった。上司である姉から急遽ドイツへ赴くよう命じられた僕は、ドライバー兼通訳の無愛想なドイツ人と"ぬこ"のムッシュを伴なってドイツへ向かうが。
―人為的に作られた猫(ぬこ)の描写は愛らしく、猫好きにはたまらんのだろうが、終盤で見せる得体のしれない怪物(モンスター)としての顔で、この作品がSFホラーという事に気付く。
・ストライガ(坊木椎哉)
 二人の女性の独白から浮かび上がる、凄絶な純愛の顛末。
―正直に言って、BLとか百合はどうしても苦手というか(正確にはこの作品は百合じゃないんだろうが)生理的に受け付けない(あと、欠※フ※※というのもどうにも理解できない)……のではあるが、《ダーク・ロマンス》という語句のイメージに収録作品中最もハマっている一篇かもしれない、文字通り"異形の純愛"か。
・花のかんばせ(荒居 蘭)
 目覚めた男に語りかける声の主は、彼と同じく、髑髏の花になったある男のものだった。
―鈴蘭怖い。いや怖いのは実にも不可解な男と女か(なんつって)。
・愛にまつわる三つの掌篇(真藤順丈)
 母親譲りの放浪……何処かに定住することの出来ぬ血を意識する娘(『ⅰ.血の潮』)、幼いころから信じ続けたサンタクロースの姿を極地に求めた学者(『ⅱ.サンタクロース・イズ・リアル』)、大道芸人と炭団売りの娘の別離と意外な再会(『ⅲ.恋する影法師』)、3話のオムニバス。
―雰囲気の全く異なる3話。ⅱがユーモアに溢れている分大震災を絡めたⅰ、原爆を絡めたⅲの何とも重い読後感がより残る。
・いつか聴こえなくなる唄(平山夢明)
 ある惑星。人間は家畜としてある生物ノックスを使役していた。農場で多くのノックスを管理する父親を持つ少年はある日、ノックスの雌の子供を偶然助けるが。
―このモチーフは監修者の解説にもある通り、多分に現代もなお人類に巣食う宿痾なんだろう。後半の畳み掛ける展開に筆者らしくない違和感を覚えて(以下略
・化石屋少女と夜の影(上田早夕里)
 異形の博物学や化石が教養として根付いた世界。海辺の町で化石屋を営む少女紗奈は、浜辺で梨々子と名乗る見慣れぬ中年女性から声をかけられる。
―ふと、今年のノーベル化学賞を受賞した二人の女性科学者が思い浮かんだ。二人の女性ということ以外全く関連はないのだけれども。時を超える友情か歴史を捻じ曲げる我儘か。
・無名指の名前(加門七海)
 少女はメモに書かれた『製作所』を探す。双子の妹の≪指≫に合うドレスを仕立てるために。
―双子の少女達の罪と罰、なのか。
・魅惑の民(菊地秀行)
 地下室で繰り広げられる異様な見世物。観衆の中にFと呼ばれる男がいた。
―史上に悪名高いあの帝国を模した(人名も全てイニシャル)一篇に思えるが、その本質は……史実に於いて約80年前に犯された悍ましく愚かな凶行が、この現代でもまた繰り返され兼ねないことに対しての、著者の危機感の表れなのか。
・再会(井上雅彦)
 ハロウィーンの夜、車のハンドルを握る男。約束を果たすために。
―モード言語としての『ダーク・ロマンス』からインスパイアされたという、監修者の作品が掉尾を飾る。煌びやかなイメージとガジェットの羅列は正直なところ上滑りしている感も失礼ながら無きにしも非ず、だが《異形コレクション》三度目の復活を祝うイルミネーションと考えるなら、これほど相応しい一篇もないかもしれない。


 Twitterで「9年の飢えを充たすべくゆっくり堪能したい」なんて呟いてしまったが、期待値を数倍超えるような満足感だった。特に冒頭からの5、6篇はこういうのが読みたかった!と自分のツボにびしりとハマってくれるような作品ばかりで、読者以上に執筆された作家さんの方々が今回の復活を喜び、筆を揮ったんではなかろうか、なんてことも思えて来る。

 空白の9年の飢えは充たされた。しかし困ったことがある。
 続刊が早く読みたいという、新たで懐かしい飢餓感を覚えてしまったこと。

 幸いなことに来月に復刊第2巻(書物がテーマとか)が早くも予告されている。
 復活の宴はまだ続くのだ。

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「M.R.ジェィムズ怪談全集〈2〉」 [Book - Horror/SF/Mystery]

 近代英国怪奇小説の三巨匠の一人、ジェイムズの怪談全集(分冊の第2巻)

「M.R.ジェィムズ怪談全集〈2〉」編訳)紀田順一郎(創元推理文庫)

◆内容紹介(裏表紙から)
M.R.ジェイムズの怪談に描かれる恐怖はいずれも鮮烈で、幽霊や妖怪はその手で触れてきそうなほどになまなましい。第2巻には、古書市で競り落とした日記が招く恐怖を描く傑作「ポインター氏の日記帳」、現実の事件を暗示する人形劇の悪夢「失踪綺譚」など後期の作品に、本邦初訳の未刊作品を加え、21篇を収録。どうぞ枕頭に備え、眠れぬ夜には恐怖を心ゆくまでお愉しみあれ。


 7月に読了した第1巻と併せた創元版の2冊が、著者存命中(1931)に出版された1冊版全集を新たに訳したもので、今回の第2巻は後期の短編集『痩せこけた幽霊』『猟奇への戒め』の2冊に、拾遺編、そして原本に未収録のもの、後に遺稿が発見されたもの等6編らが収録されている。


痩せこけた幽霊
ホイットミンスター寺院の僧房
 僧房に転居してきたオールディス博士とその姪。それから間もなく、博士は寝室で異様なことが起こるのに気付く。それは100年以上前にその僧房で起きた悲劇に起因していた。2部構成的な短篇。前半に登場する少年が何とも薄気味悪い
ポインター氏の日記帳
 地誌研究のため古書市で入手した古い日誌。その中に留めてあった布の端切れを元にカーテンを作ったことで起こる怪異。日誌そのものでなく、それに挿まれた布地が怪異を招くのが面白い。『怪奇小説傑作集1』(創元推理文庫)にも収録されているが、ラストは平井呈一の訳文よりこちらの方がわかりやすい
寺院史夜話
 中世の教会内に置かれた墓碑にまつわる因縁話
失踪綺譚
 伯父が失踪したことを伝える女性の数通の手紙。女性は残酷な人形劇の奇妙な夢を見たことを記していたが……。人形劇と(物語中で)実際に起きた事件との関連が今一つわかり難い
二人の医師
 二人の医師の相次ぐ奇妙な死にまつわる話。解説にある通り、語られるべきものが(意図的にか)かなり抜けているようで、これも今一つわかり難い

猟奇への戒め
呪われた人形の家
 デイレット氏が骨董商から購入したゴシック趣味のドールハウス。彼はその夜、忌まわしい過去の再現をミニチュアの人形たちが演じるのを目撃する。著者自身が「銅版画」(全集1収録)との類似を述べているが、映像ではなく人形たちが過去を演じるというのが面白い
おかしな祈祷書
 何度閉じて覆いを掛けても同じ詩篇の箇所で開かれてしまうという礼拝堂の祈祷書。ひょんなことからそれを目にしたディヴィッドスン氏は、祈祷書にまつわることを調べて礼拝堂を再訪するが、祈祷書は全てすり替えられていた。因縁がまつわる書物というジェイムズ作品の定番モチーフに、それが誰かによってすり替えられていたというミステリ的要素が加わっているのが興味深い……のだが、謎解きやすり替えた犯人との対決みたいなものがなく、何ともあっさり終わってしまったのが少々物足りない
隣の境界線
「私」は友人の地所内のある丘で生身の人間のものとは思えぬ恐ろしい叫び声を耳にする。その丘はかつて友人の父親の指示で森が切り払われており、その森は付近の住民も避ける言い伝えがあった。曰く付きの森というモチーフに実際の訴訟事件を素材として絡めているが……怪異の原因がえ?これですか?という感じ
丘からの眺め
 変わり者の好古家でもあった時計屋が作ったという双眼鏡。それを覗くと実際には見えない、何とも忌まわしい景色が見えるのだった。古の呪物ではなく、変人が作った悍ましい器物。いやホント悍ましい。
猟奇への戒め
 友人とのイングランドの東海岸への旅先で遭遇した神経質そうな若い男性。彼は伝説にある宝冠を発見してしまったが、それを何とか元の場所に返したいのだと語る。執筆は1925年だが、その3年前にツタンカーメン王の墓が発見され、その発掘に携わった人間が次々に亡くなる……いわゆる「王家の呪い」が流布(実際は殆どが誇張とでたらめだが)された頃なので、それがヒントになってたのかもと勝手な邪推
一夕の団欒
 おばあさんが孫たちに語って聞かせる、近所のある小径で黒苺を摘んではいけない理由。
【ネタバレ】悪魔崇拝をしていた者たちが陰惨な死を遂げたとなれば、忌まれた土地になるのは当然か

拾遺編
ある男がお墓のそばに住んでいました
 シェークスピア作品の一節を元にジェイムズが書き上げた墓泥棒が報いを受ける話。古典的な怪談の語りのオチの付け方は古今変わらぬようで。
 旅先の居心地のいい宿には、しかし一部屋開かずの部屋があった。好奇心に駆られたトムソン氏は、手持ちの鍵でその部屋の中を入ることを試みるが……。好奇心は猫をも殺す。いや、いくら「開かずの部屋」でもそんなもん置いてちゃいかんでしょ。ラストは「笛吹かば現れん」と同じパターン。
真夜中の校庭
 真夜中の散歩中だった「私」と梟の奇妙な語らい。著者の母校であり校長として勤務したイートン校の風景が描かれたファンタジー風掌編
むせび泣く泉
「泉に近付くな」という老人の忠告に逆らった札付きの不良学生とその仲間に起こった惨劇。ジェイムズによる吸血鬼ものの変奏とも言えるか。冒頭でこの不良生徒と容姿のよく似た優等生が登場するのだが、そこから読むとポー「ウィリアム・ウィルソン」的な話になるかと予測したのだがそうはならず。その点や楽屋落ちが多いのも、元々キャンプで学生向けに朗読するため書かれたもの(解説より)だからか。
私が書こうと思っている話
 タイトル通り著者による創作ノートのようなもので、文中のアイデアの2つが作品化(後段の「フェスタントンの魔女」「暗合の糸」)されているという。最後が少々メタフィクション風になっているのは著者の遊びゴコロだろう。

未刊作品
小窓から覗く
 少年時代を過ごした牧師館の庭。猟園とを隔てる植込みの木戸越しに佇む不気味な人物の夢に何度もうなされていたが―。遺作であり、未定稿だったものが活字になったものとのこと
死人を招く―大晦日の怪談
 大地主が急死した。遺体は納骨堂に安置せず、棺桶も使わずに墓地の北側にすぐに埋葬するように―というのが故人の奇妙な遺言だったが。原題 The Experiment は降霊術を意味するものだそうで、察しのいい読者はそれで予想がつくのかも
無生物の殺意
 バートン氏は朝から些細な失敗続きで機嫌が悪かった。彼と長年仲違いをしていた人物の死亡記事が新聞に出ていても気分は晴れず、友人に誘われて散歩に出てもついてないことばかりだった。タイトルの"無生物"は正確には"人間以外"ということだろう。序盤に譬えとして書かれた昔話は日本の「猿蟹合戦」を思い出すが、これは明確な復讐譚であるのに対し、あちらのは不条理極まりない話であるのも妙に面白い

 ここからの三作は大学図書館に埋もれていた草稿をジェイムズ研究家が発掘、遺族の承諾を得て公開した作品とのこと。
フェスタントンの魔女
 18世紀初期のケンブリッジ大学。密かに黒魔術に傾倒していた2人の研究生が、前日に処刑され埋葬された魔女の遺体を手に入れようとし―。先述の「私が書こうと思っている話」中のアイデアの一つ。当時の大学の史実も取り入れているとのこと
暗合の糸
「奇妙な偶然」がテーマ。ラストで記された落丁の意味するものは……?
キングス・カレッジ礼拝堂の一夜
 大学礼拝堂のステンドグラスに描かれた(聖書中の)人物たちが真夜中に生き生きと動き出す―というファンタジー。聖書の知識があるとより楽しめるのだろう

〈1〉に収録された作品と比較すると、後年の作品であること、さらに未定稿だったもの等が混じっているためかやや散漫だったり、あるいはわかり難かったり辻褄が合わないような印象の作品もある。一方で「私が書こうと思っている話」は怪談の書き手としての著者の顔が垣間見えて面白いし、「真夜中の校庭」「キングス・カレッジ礼拝堂の一夜」は、従来の怪談のイメージとは異なったジェイムズ作品として、これまた興味深い。




 ジェイムズの全集は光文社古典新訳文庫で出たばっかりですけど、せっかくだしこちらも2冊揃って復刊させませんか、東京創元社さん。


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「小説現代」2020年9月号 [Book - Horror/SF/Mystery]

 真夏の怪談特集「超怖い物件」。
「小説現代」2020年9月号(講談社刊)

◆内容紹介
[特集]真夏の夜の悪夢 超怖い物件――そこに住んではイケない。
「こんな話は、頭で考えても作れない」執筆者の一人はこう語る―。土地に張り付いた怨念は消えない。実話怪談の怖さを味わえる最恐の十編。
大島てる 「倒福」/福澤徹三 「旧居の記憶」/糸柳寿昭 「あつまれ 怪談の日記」/宇佐美まこと 「氷室」/花房観音 「たかむらの家」/神永学 「妹の部屋」/澤村伊智 「笛を吹く家」/黒木あるじ 「牢家」/郷内心瞳 「トガハラミ」/平山夢明 「ろろるいの家」
・その他(略)

 ジャンル専門誌である二誌(『NightlLamd Quarterly』『幻想と怪奇』)を除くと、この手の小説誌を購入することはー今回のような怪談・ホラー特集以外はーほとんどない。が、今回はTwitterのタイムラインで流れて来たのを見て「おっ、これは!」……ということで、発売日の8/21に早速購入してきた。

 事故物件に住んだ芸人の体験談を基にしたホラー映画が公開され、同テーマのホラーアンソロジーが話題になったりと、ある意味では今夏の怪談・ホラーのトレンドにもなっていた「物件」ホラー。住む場所というものはどんな人間にとっても、どんな形であれ何らかの関りがあり、記憶があるものだから、そこに起こる怪異や恐怖、不思議な体験もまた身近に感じられるんだろう。もちろん、近年何かと話題に上る事故物件公示サイトの存在も大きいのだろうが(その管理人が今回寄稿している)。

 今号はこのテーマで10篇掲載。併せてシンガーソング・ライターの大塚愛による小説家デビュー作、しかもホラー短篇が掲載されているということで、こちらも。

倒福(大島てる) 
 2017年4月に起こった「大島てる」管理人殺害予告の脅迫事件。半年後に犯人は逮捕、罰金刑を受けている。その犯人の父親から管理人宛に届いた手紙の文面-という体裁。この事件や経緯は実話だが、この手紙に書かれていることは全て本当に犯人の父親が書いたのか、それとも実話に創作が混じっているのか……。

旧居の記憶(福澤徹三) 
 著者が幼い頃に両親、祖母と共に暮らした家と、家族の記憶。そこに(次に掲載されている)糸柳寿昭ら「怪談社」と共同執筆する『忌み地』の取材の模様が交互に挿入される。明るいばかりでない、暗く湿り気と黴臭さの混じる、それでいて仄暗い懐かしさを覚える記憶の中の「昭和」。

あつまれ 怪談の日記(糸柳寿昭) 
 6月に刊行された『忌み地 弐 怪談社奇聞録』(講談社文庫)の取材メモ。「本誌の掲載にあたっていくらか手を加えたが、大筋は原文と変わりない。」と本文にあるが……最後はある意味で予想を裏切らない。

氷室(宇佐美まこと )
 縁もゆかりもない瀬戸内海の寂れた港町に移住した主人公。この町出身の女性が町おこしとして空き家と移住希望者をつなぐプロジェクトを立ち上げ、その伝手で移ってきたのだった。元は船具屋だったという、彼が買った古民家の土間には床下には氷室があり……。地方の自治体では過疎が進み空き家が増えている、というのも現代らしい問題だった。

たかむらの家(花房観音)
 兄の再婚相手は私より若い「年下の義姉」だった。私の実家でもある、夫と二人で暮らすその家を、彼女は「こわいんです」と言う……。タイトルの"たかむら"が序盤過ぎで明らかになるが、それを知っている読者なら展開や結末も察しが付くかもしれない。この著者の短篇を久しぶりに読んだが、こういう話を書く人だったな、と。

妹の部屋(神永学)
 三ヶ月前に自殺した妹。死んだ場所が部屋ではなかったため事故物件にはならなかったが、解約し空にしたはずの部屋が妙なことになっている―と不動産会社の担当が連絡をしてきた。とりあえず家族が怖い。おかしいのは○○じゃなく……というパターンと思わせて意外なオチが。でもかなりの荒業。

笛を吹く家(澤村伊智) 
 親子三人での散歩の途中に見つけた家は「幽霊屋敷」との息子の言葉通りの家だった。夫婦はそれぞれ「笛吹」と表札のかかるその家が気にかかり始め、その家の事情を調べ始めるが。序盤から暗示される親子の歪さの輪郭がはっきりする時、タイトルや表札の意味が明らかになる。奇しくも今号の別の収録作の語り手の心境とシンクロしているような。

牢家(黒木あるじ) 
 東北のある山村。数十年を隔てて同地域で起こった三つの未解決事件。地域プロデューサーなる男を案内して共に現地に向かったフリーライターは、〈牢家〉という言葉を彼から聞く。怪談というよりは王道の和風怪物ホラー。

トガハラミ(郷内心瞳)
 魔物に取り憑かれ、恋人の肉を喰らって蔵に幽閉された姉。夜毎に果物を持ってこっそり姉を訪れる妹。妹にとっては姉は憧れであり唯一の相談相手だった。吸血鬼譚の変奏ものかと思いきや……。

ろろるいの家(平山夢明) 
 かつて実話怪談の取材をし、雑誌の掲載直前になって取材相手の女性と音信不通となったためボツになったある話。彼女から約10年ぶりに突然入った電話。お蔵入りになっていた話を掲載して欲しいという。それは彼女が学生時代、家庭教師のバイト先で体験した異様な話だった。平山氏の実話怪談を読むのは久しぶり。相変わらずの乾いた狂気とえげつなさ。下衆の勘繰りかもしれんが『残穢』から影響されてない?

開けちゃいけないんだよ(大塚 愛) 
 10歳のさゆりは夏になると祖母が独居する洋館に泊まりに行く。祖母も、その家も大好きだったが、その家には地下室があり、そこに置かれたアルミシートの大きな包みを除いて。中身を祖母に尋ねても教えてはくれず「開けちゃいけないんだよ」というだけだった。
 シンガーソングライター、大塚愛の小説家デビュー作(絵本は既に2冊上梓しているらしい)。この作品の前にインタビューも掲載されていたが、記憶にある彼女の曲とは(そもそも1、2曲の印象しかない)全く異なるイメージに少々驚かされた。作品自体は……うーん、その前の10篇と比較してしまうと、こちらはプロット、特に文章がWeb小説、あるいはかつてのケータイ小説みたいだなぁと。

 雑誌の特集というより、何やら書き下ろしアンソロジーを1冊読んだような満足感。この感じはかつてメディアファクトリー(後に角川文庫)で刊行されていた『怪談実話系』シリーズの感覚に似ている。もしあのシリーズが続いていて、今回のような「超怖い物件」がテーマだったとしたなら、こういう内容になったんじゃないだろうか、とも思ったり。何より、福澤徹三氏と平山夢明氏、両氏の書き下ろし怪談が久々に同時に読めるのがウレシイ。


 他の特集、ドラマの原作連載等はとりあえず保留。気が向いた時に読んでみようか。


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「深層地下4階」 [Book - Horror/SF/Mystery]

「ジュラシック・パーク」「ミッション:インポッシブル」など、ハリウッドのヒット映画多数を手掛けた脚本家の小説家デビュー作。


「深層地下4階」D・コープ著(ハーパーBOOKS刊)

◆内容紹介(裏表紙から)
前科持ちのティーケイクは、いつも通り貸倉庫の夜勤シフトに入っていた。ふと気づくと、壁の奥からかすかなブザー音が聞こえる。発信源を突き止めるため、同僚のナオミとともに壁をぶち破ると、そこにはブザー音と異常を知らせるランプが点滅する、存在しえない深層地下階の図面パネルがあった。それは40年前、小さな町を全滅させるほどに進化した生体が極秘に封印されている場所だった……。


 物語は冷戦終結前の1987年、ロベルトとトリーニ、2人のアメリカ軍将校がある生物のサンプルを政府の貯蔵施設の奥底に保管するために向う描写から始まる。
 彼らはそのしばらく前、西オーストラリアにある辺境の町からの通報により、一人の女性微生物学者と共に現地へ渡っていた。彼女は'70年代のNASAの宇宙ステーション(スカイラブ)計画の過程の中で、宇宙に運ばれたある菌類―真菌類生物がスカイラブの残骸と共に地球へ戻ったのだと語り、さらに高レベルの遺伝子構造の変化によって新種の生物―コルディセプス・ノヴァスが誕生したのだと推測する。
 ―最終的に、ロベルトとトリーニは大きな犠牲を払いつつ、コルディセプス・ノヴァスを壊滅した町ごと焼き払い、極微量の標本をアチソン洞窟の政府貯蔵施設の深層地下4階に封印する……ここまでが約70ページほどのプロローグ部分。

 本筋はそれから32年後の2019年、アチソン洞窟の貯蔵施設は既に民間に売却され、一般向けの貸倉庫となっていた。封印された真菌の存在は次第に忘れ去られ、なかったものとなっていた。
 そんなある日、貸倉庫の夜勤シフトに入っていた前科持ちのお人好しの青年ティーケイクは、耳慣れない警報のブザー音が壁の中から聞こえて来るのに気付く。同僚で、以前から密かに気になっていたシングルマザーのナオミと相談した結果、壁を壊して音の正体を確かめようとする。
 壁の中には複雑な計器パネルと警告を告げる点滅ランプ、そしてこの貸倉庫には存在しない深層地下4階を示す図面パネルが現われる。二人はその深層地下4階まで降りてみることにする。

 その後、地下深く封印されていた筈のコルディプス・ノヴァスが異常な進化能力によって既に封印から逃れ地上へと現れていたことが描かれ、ナオミの元夫、ティーケイクらの上司グリフィンやその仲間、貸倉庫の顧客の一人の老婦人ルーニー、さらには既には退役していたロベルトらも巻き込んだ地獄の一夜となる……。

 ジャンルとしてはバイオ・ホラーになるんだろう。真菌生物であるコルディセプス・ノヴァスだが、このモンスターっぷりが凄まじい。宿主となる高等生物(人間その他の哺乳類、昆虫etc)に取り付くと急速に体内を移動、脳に寄生して急激に増殖し宿主をコントロール下に置き、最後には宿主の身体内に充満、破裂してより増殖しようとする。学習能力を持ち(脳も意識もないのに)、さらには自らの構造を変え化学物質を構成していく共生体を持つため、様々な障壁も突破してしまうというチートぶり。感染した生物は、死体であろうとこの真菌によってゾンビの如く動かされ、自らをばらまくために利用されることとなる。何となく「ガメラ2」のソルジャーレギオンとレギオン草体(プラント)を思い出した。ソルジャーとプラントはあくまで別個体であり、爆発して種をばら撒くのに対し、こちらの真菌は宿主を破裂させて自らをばら撒くのだが。

 この辺りの解説は研究者などの登場人物の口から語らせるのでなく、あくまでも作者―神の視点から描写されるので、「増える」という本能だけで個/総体としての意識や知能、そもそも脳すらないはずの真菌が、一個の意志を持った怪物のようにも思えて来る。登場人物たちの描写が続く中に、怪物自身のモノローグが挿入されるのはホラー(ミステリなら犯人)で時折見受けられるパターンだが、本作ではプロローグの段階でこの怪物がどんなものなのかある程度明確にわかってしまうので、感染したら100%死ぬというヤバさは印象付けられるが、一方で「相手が何なのかわからない怖さ」という点は削がれてしまったようにも思える。

 登場人物についてはかなり書き込まれており、特にティーケイクとナオミ、そして退役軍人のロベルトについては……現代社会における種々の問題も含め、特に丹念に書き込まれている(ラストで活躍するのかなと思った人物が途中であっさり退場してしまう面もあるが)。
 真菌による感染(寄生)というキーワードがあるので、ある程度大規模なパニックが起きることを期待したのだが、人物描写に紙数を割いたからか、事件規模や関わる人物は案外コンパクトな印象。これは著者が映画を多く手掛けた脚本家だったことから、映像化した際の尺を無意識のうちに考慮していたのかも。そう考えてみると、様々な場面が全て具体的にイメージしやすい(頭の中で映像化しやすい)のも、著者の腕なんだろう。

 ラストは一気に畳み掛けるというより、力づくで強引にカタを付けたという感じ。これはストーリ自体もそうなのだけれど、色々な面でアメリカらしいよねと思える一方で、この最終手段を実際に(作中で)用いたフィクションって実はさほど多くないんじゃないかと(宇宙方面は別にして)。いずれにせよ日本じゃ絶対に不可能だが。

 映像化は……やっぱりない、だろな。

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