デ・キリコ展@汐留 [Art & Movie]
今週火曜のこと。
夕方から恵比寿で友人と会う約束があったが、この日は午後から予定なしだったため、汐留のパナソニック汐留ミュージアムで開催中の「ジョルジョ・デ・キリコ -変遷と回帰-」展に足を運ぶ。
ジョルジョ・デ・キリコとは→ジョルジョ・デ・キリコ【Wikipedia】
デ・キリコというと、20世紀初頭から'70年代まで長く活躍し、初期の頃の「形而上絵画」がシュルレアリスムの画家に多大な影響を与えたこと(マグリットもその一人)などはよく知られているけれど、知名度や活動期間が長い割にはごく一部の作品ばかりが有名なようでもあり、画家単体の展覧会が催され、数多くの作品が紹介される機会は―日本ではあまり多くないかもしれない。
JR新橋駅で降り、烏森口からスマホにDLしたアクセスマップに従って歩いていく。
新橋駅で降りるのも何年ぶりかの話だが、汐留方面の開発が進んでだいぶ変わったような。
エスカレーターでビル4Fへ。正面に←の看板がお出迎え。
中は時系列順に作品が陳列され、サブタイトル通りこの孤高の画家の変遷と回帰の足跡がよくわかるようになっている。
今回の展覧会は、2番目の妻で画家に最期まで付き添っていたイザベッラ夫人の所蔵品が中心となっており、本邦初公開のものも多数あるらしい。とはいえ「街の憂愁と神秘」や、マグリットが感銘を受け涙を流したともいう「愛の歌」など、彼の作品でつとに有名なものが出展されていなかったのは、少々残念でもある。
図録は今回も購入せず、ミュージアムショップにも目ぼしいものがなかったので、ポストカード数点他を購入。
パナソニックビルの1階ではこんなイルミネーションが。そういう季節ですねぇ。
その後恵比寿へ向かい、友人Kさんからあるブツと沖縄土産を受け取る。
友人オススメの恵比寿横丁の京風おでん屋さんで軽く呑む(翌日が朝早い+長距離運転の予定だったので)。
京風というだけあって、あっさりと昆布の味が効いたダシ。店構えが屋台風なのが何ともいい雰囲気。火曜日だというのにどの店も早くから盛況で、Kさん曰く「金曜日に来たら相当混んでて入れなかった」とのこと。
おでんの他、手前のハルピンキャベツがなかなか旨し。ごま油が効いたちょいピリ辛の味がビールによく合うんだけれど、何処がどうハルピンなのか、イマイチわからずw
この恵比寿横丁、その他にも惹かれるお店はあったのだけれど、呑むためだけに恵比寿までわざわざ出張るのはちょっ~とキビしいw
今日の戦利品?は、デ・キリコ展のリーフレットに作品目録、ポストカード×3と、マグリット風の栞。
本日(12日)、BS日テレで20:00から放映の「ぶらぶら美術・博物館」で、この展覧会を採り上げていた。会期は今月26日(金)までなので、これを見てから観に行ってもよかったかなぁ、と。
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「日本国宝展」 [Art & Movie]
今月の21日、東京国立博物館(平成館)で開催されている、日本国宝展を観に行ってきた。
国宝展は平成になってから3度目(2年、12年に続く)だそうで、その2回で120万人を動員したのだとか。
4月の「栄西と建仁寺展」以来の国博。
13時半過ぎに現地着。金曜日とはいえ、平日の午後だし会期もまだ残っているから、そう混んじゃあいないだろう……という目算は、あっさり外される...…。入場規制中で、入館まで40分待ち、とか。
ということで、本館で開催していた「東アジアの華 陶磁名品展」を覗いていく。日中韓の国立博物館の合同企画ということだったが、1部屋だけで規模も小さく、展示品も少なめ。仁清の「色絵月梅図茶壺」(重文)があったけれど、仁清は国宝「色絵藤花図茶壺」の記憶が鮮烈だからか、それに比べるとやや……。長次郎の黒楽茶碗「ムキ栗」 が見られたのは嬉しかったけれど。
時間をずらしたものの、やはり40分待ちは変わらず。前日までの冷たい雨から一転、この日は陽射しの暖かい陽気だったのが救い。
本館と平成館の間から、東京スカイツリーがくっきり見えることも、今回初めて知った。
予告通り、並んでから40分弱でやっと中へ。
当然のように中も混雑混雑……日頃、こういう展覧会の類は、平日のそれもなるべく混まない日を見計らって来るようにしているので、こういう混雑はかなり堪える。
今回のテーマが『祈り、信じる力』ということで、日本人の信仰心から由来する文化的遺産が展示されているということも、やや自分にはピンと来なかったのかも。
大まかな内容をBS日テレの番組で見てしまったということもあるか。
せめて長谷川等伯「松に秋草図」が見られていたらと思ったのだけれど、展示は11/9までだったので見ることは叶わず。
昔から教科書ではお馴染みの「金印」実物。今回初めて見たが、こんなに小さかったのか、とちょっと驚き。鏡を使って、印面の方も見られるようになっていた。
フロア中央に展示してあるので、それを見るためにここだけまた行列がぐるぐるとできる始末(展示は今日11/30まで)。
一昨日(11/28)で、来場者30万人を突破したのだとか。
会期は1週間後の12/7(日)まで。明日は休館で、3日から最終日までは開館時間を20時まで延長するとのこと。
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「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」@池袋 [Art & Movie]
前々回の記事で雑誌「ナイトランド」の無期休刊のことを書いたら、このブログまで無期休刊になりそうになっていた。
丸々1カ月もサボって本当にすみません。
多忙を極めていた?ということで、一つご寛恕の程を。
3日前に出先でスマホからちょろりと投稿したように、この19日、池袋のサンシャイン水族館で開催されている特別展「毒毒毒毒毒毒毒毒毒展(もうどく展)」を観に行ってきた。
一昨年の「特撮博物館」、昨年の「深海展」に引き続き、親戚の兄弟を連れて行く、という名目で……というより、自分が見たいから、小学生を連れて行くのを口実にしたとも言えるんだが。ま、本人たちも「行きたい!」と二つ返事だったのでOKですよね
11時過ぎに現地に到着。
サンシャイン水族館に来るのは、サンシャイン60が完成して間もない頃に家族で来て以来だから、約35年ぶりということになる……うはぁ。
特別展は水族館とは別開催になるが、「水族館も見たい」というリクエストでセット券を購入。もうどく展単独でも入ることができるが、その際は¥600。水族館とのセットだと¥300割引の¥2,300になる(高校生以上の場合)。
「もうどく展はこれからもーっと混むから、水族館より先に見てってね~」(意訳)
と叫ぶスタッフさんの声に従い、先にもうどく展の方へ。
入口脇に展示された、オニダルマオコゼの骨格標本(左)。
チケット売り場で覚悟はしてたけど、やっぱり混んでるのね……(中)。
展示動物/植物の横に、持っている毒の強さが表示されている(右)。
左から順に、ハナミノカサゴ(毒レベル2)、アカクラゲ(レベル3)、オニダルマオコゼ(レベル4)。
入口で骨格が晒されていたオニダルマオコゼ。背びれの棘に持つ毒はかなり強力だそうで、岩と間違えて触れたり踏んでしまったダイバーが落命するケースもしばしばあるとか。海の中じゃ見分けつかんわなぁ……。
左からオニヒトデ(レベル4)、アデヤカキンコ(レベル3)、マアナゴ(レベル4)。
枯れたスギの葉の束みたいなオニヒトデ。サンゴ礁の大敵ってことで有名だけれど、持っている毒もかなり強い。毒々しいアデヤカキンコはナマコの仲間らしいが、ふとホヤ(←最もニガテな食べ物)を思い出したのは自分だけでいいw。
アナゴが有毒で、しかもレベル4?と思う人もいるかもしれないが、血液中に毒成分があるのでアナゴやウナギは生食不可なのだとか。この毒成分は熱に弱いため、加熱すれば無毒化できるとのこと。
実物展示はないものの、動物界の毒の強さベスト5が表示されていた。
1位のマウイイワスナギンチャクは、毒(パリトキシン)1gで体重50Kgの人が100~200人死亡、2位のキロネックス(オーストラリアウンバチクラゲ)は毒1gで約10人の人が死亡……なんというオーバーキルな奴らか!
水族館の特別展ながら、毒を持つ陸上生物や植物も展示。
ベトナムオオムカデ(左)は毒レベル2だけれど、触ったら絶対いかんという、全身これ危険表示なルックス。日本発の有毒植物の雄(?)トリカブトと並ぶのはマンドラゴラ(マンドレイク)。根っこも展示してあったけれど、人の形はしていませんでした(当たり前だ)。
本展のポスターにも登場するスローロリスは、夜行性のためかオヤスミ中……。
特別展自体はそれほど大きなスペースではないのだが、通路も狭めで、とにかく混雑していたのでなかなか進まない。じっくり見たいならば朝イチ(10:00~)か、もしくは9月に入ってからの方がいいかも?(9/28まで)。
この後、やはり混雑していた水族館をゆっくりと見て回った。
水族館でも写真を撮りまくったけれど、特に印象に残っているのを3つほど。
カクレクマノミを見ると「ニモだー」と口走ってしまう40オトコ←精神年齢が幼い。
サビトマトガエルのにらめっこ。ずーーっと互いにメンチ切ってました(違う?)
出口近くにいたペリカン。暑さに耐えかねてかミストの吹き出し口で口をパカッ。
水族館を出てきたのが15時少し前。
この時、もうどく展は45分の入場待ち。スタッフさんの言うとおりだった……。
以上。
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特別展「栄西と建仁寺」 [Art & Movie]
本日は代休。
この数週間、土日もほとんど公私の所用で潰れていたため、久しぶりに何も予定のない休日だった。
美術館にもしばらく足を運んでいなかったので、ちょっと検索してみた結果、上野の東京国立博物館へ足を運ぶことに決めた。
現在開催中なのは「開山・栄西禅師800年遠忌 特別展『栄西と建仁寺』」。ちょうど今日(22日)からは、海北友松筆の「雲竜図」が全8幅を展示する(~5/6まで)ということで、タイミングもいい。
国立博物館の平成館に来るのは「長谷川等伯」展の時以来だから、ほぼ4年ぶりか。あれは桜シーズンの少し前頃だったかな。
本館では今日から特別展「キトラ古墳壁画」が公開だったようで、14時前でも入場に「20分待ち」の表示が出ていた。
建仁寺展の方は待ちも何もなく、すんなり館内へ。
栄西禅師というと、臨済宗の開祖であり、後の茶道につながる喫茶の文化を普及(復興)させた人物というアバウトな知識しかなかったが、禅宗を広めるにも天台宗からの排斥に遭うなど、中々苦労があったようで。この守旧派って人種は、いつの時代も変わらんのですなぁ……。
前半は栄西自身に関連した文書や、建仁寺で毎年4/20に行われる「四頭茶会」の席を再現したものをはじめとした茶道具などが展示。ここで油滴天目が見られるとは思わず、思わず見入ってしまう。
後半は建仁寺所蔵の宝物、芸術品が展示。
海北友松という絵師の作品は、これまで意識してじっくり観たことはなかったけれども、「雲竜図」はやはりの大迫力。
が、より印象に残ったのが、最近人気沸騰中(?)の伊藤若冲。
モノクロの三幅対で構成された「拾得および鶏図」。左右の鶏の生命感のあるリアルさに対し、ややデフォルメされた寒山拾得の後ろ姿は、水墨画風というよりはA.ビアズリーの「サロメ」を一瞬思い出したほど。そのコントラストは、「雪梅雄鶏図」の色鮮やかなリアリズム以上に鮮烈だった。
そしてハイライト、国宝「風神雷神図屏風」(俵屋宗達筆)。本展覧会最大の目玉だけに、等伯展での「松林図屏風」同様、順路の最後に展示されていた。
'08年にここで開催された「大琳派展」は見逃していたので、この超有名作品の実物を観るのはこれが初めてだったんだが……いや、確かにいいなとは思うけれど「松林図屏風」を観た時のような、心を揺さぶられるような感じはなかったような。ま、この作品は「おぉ~、これが本物~」と素直に楽しんで観る作品だろうから、それでいいのかw
ミュージアムショップで少し買い物をして館外へ。
上野公園もけっこう変わった?
博物館の正門前から公園を写したものだが、4年前はここはこんなに広々していなかったような。
自分のためのお土産は、クリアファイル2点(風神雷神はWタイプ)に、若冲の「雪梅雄鶏図」のチケットホルダー。こちらはこれまでのチケット(半券)等の整理に使おうかと。
図録は重たそうなので、今回も購入せず。
先日、OSをWin8から8.1にアップグレードしたのだが、そのためなのかブログの編集の際に空白改行が反映されなくなってしまった。
文脈の上でとか、あるいは画像を挿入した際に右側を開けたいがために、空白での改行をよく用いてきたんだが、前回久々に更新したらこの状態(反映されない)になってしまったことに気付いた。
普段、文章をそのまま打つだけでおkな「リッチテキストエディタ」を利用しているが、HTML編集で改行の指示(<p></p>タグ挿入)しても結果は同じ……。
サポートに問い合わせてみたけど、やっぱりOSのせいかなぁ。
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特別展「深海」@国立科学博物館 [Art & Movie]
NHKで深海でのダイオウイカの撮影に成功した番組を放映した頃からか、何だか深海ブームみたいなものが世間の一部で来ているようではあるけれども。
その流れを汲む?展覧会が今夏に開催されると知ったのが6月頃。小学生の頃の夢の一つが海洋生物の研究者であり(数学が苦手だったため理系は断念w)、昔から深海魚が大好き、今でも絶対に「動物園より水族館派!」な自分としては、これは観に行かずにおけるものか、と。
で本日、代休を利用して上野の国立科学博物館まで行ってきた。
昨夏に「特撮博物館」に連れて行った親戚の兄弟2人に前以て訊いてみたところ、「行きたい!」の二つ返事だったので、今年も連れて行くことに。ま、連れて行くこと前提でダイオウイカストラップ付の限定前売券を、事前に3枚購入済ではあったんだがw
公式の特設サイトはこちら。
11時に会場前に着くと入場を待つかなりの列で、前売券を持っていても館内に入れるまで20分程度待つことに(当然暑い)。
夏休み期間ということもあって小学生くらいの子供の数がかなり多いのは、昨年の特撮博物館と違って学術寄りの内容なので、夏休みの宿題にもしやすいからなのか。
館内に入るとまず「深海の世界」というテーマ。"深海とはどういう世界なのか"を、水温や太陽光がどこまで届くかという展示が並ぶ。画像は水圧によって圧縮、変形した発泡スチロール容器、ボンベ、そして左下のヘラみたいなのは、水圧で潰れた金属バット!!
次のテーマは「深海への挑戦」。潜水調査船や無人探査船など、深海の調査技術のあらましを紹介。中央には日本が誇る深海調査船「しんかい6500」の原寸大模型が展示されていた。
続いては「深海生物図鑑」。博物館が所蔵する深海生物の標本が分類別に展示される。ただしホルマリン漬け標本のため、通常でもグロテスク顔の魚は、怪物度が倍増……みたいなw
画像は左からタコイカ(ふざけた名前だがれっきとした和名)、リュウグウノツカイ(ヘビの抜け殻のようだけれど)、チョウチンアンコウ(トラウマ級の一品。ホラー映画の特殊メイクかと)。
暗黒、低温、超高水圧下や、超深海底に泥中、熱水噴出孔などの極限状況で適応している一部生物の秘密を紹介した後、ついにメインイベントに辿り着く。
天井から吊り下げられていたのは、映像資料や採集されたダイオウイカの死骸から採寸、復元した模型標本。そして、その直下にあるのが、
まさに今回の展覧会の目玉、ダイオウイカの標本が登場(エリア51に保管されたエイリアンの死骸、ではございませんw)。やっぱりみんなこれをカメラに収めたいのか、ここの前で行列が渋滞する結果、この辺りが一番混んでいた。
映像などを見た後、第2会場へ。
「深海の開発と未来」テーマでは、身近な食材として利用される深海魚のことも。
例えば、のり弁当などに入る”白身魚のフライ”、その白身魚とはニュージランドヘイク(ヒタチダラ)という魚なんだとか。ある程度の年齢層より上の人ならば"メルルーサ"という名前だと馴染みがあるかも。
これで展示は終了。
ショップでお土産を購入。自分用には展示図録(¥1,800)とポケット式のクリアファイル(¥500)を購入。
図録がこの内容でUnder2,000円なのは、かなりリーズナブルかも。クリアファイルの上の小さいのはチケットの半券。 ショップでは買い物がてら、チケットについてくる限定のダイオウイカストラップも受け取ったのだが……
これかい(^^;)
マッコウクジラと絡むダイオウイカという形、昔MiUのオマケについてきたペットボトルのトップにつくフィギュアのやつと何か似てる気が……ま、造形作成はお馴染みの海洋堂だし、館内に設置されたガシャポンにも入っているものだから、その辺りは仕方ないかも。とはいえ、折角ならダイオウイカ単体のストラップで作れなかったもんかな。
その後、遅めの昼食を上野警察署前の蕎麦屋「翁庵」にて。
自分は大もり蕎麦。つゆはかえしが効いてて、そばは冷水で締められて歯ごたえ有。昭和の風情たっぷりな店内の雰囲気も相まって、とてもおいしくいただきました。次回行く時は"ねぎせいろ"にしてみようかと。
今回の展覧会は「深海好き」として確かに愉しめたものの、ホルマリン標本がメインなので、グロテスクだったり異様な形状をしつつもキレイな状態の深海魚の画像を見慣れているため、何となく物足りないというか、深海魚を観たぞ~という気にイマイチなれなかったというか。
もちろん、あれらの標本も大変貴重なものとは重々承知でありますし、何といってもダイオウイカの実物を見られたのは貴重な経験でありましたが。
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