今年の男子ツアー、ダブルス雑感 [Tennis - Pro Tour]
全仏の余韻もすっかり冷め、ツアーは赤土から緑の芝生一色に。
今週の男子ツアーはウィンブルドンと同じロンドンで開催のAEGON Championshipsと、ドイツ、ハレのGerry Weber Open。どちらもウィンブルドンの前哨戦かつ調整の場として、規模は250ながらかなり重要な大会。No.1のジョコビッチ、全仏優勝のナダルを除くほとんどのトップ選手が出場している。
ところで、今回はダブルスの話題(かなりマイナーな話題なので、興味ある人はほとんどいないだろうけどww)。
全仏オープンではブライアン兄弟が10年ぶり2度目の優勝を飾り、GS優勝回数の記録を更新したことを前々回の記事で書いたが……。
上の画像は6/10付、つまり全仏直後の最新のダブルスチームランキング。
そして、こちらが今年のツアーカレンダーと優勝者の一覧。
全豪と全仏のGS2大会、そしてMS1000で3大会に優勝しているブライアン兄弟がダントツなのが一目瞭然だが、2位以下はポイントがかなり拮抗している。サンパウロ(250)とバルセロナ(500)で優勝。MS1000マドリードではツインズに敗れ準優勝だったA・ペヤ/B・ソアレス組が2位につけているが、そこから5位までは1000ポイント強の差、6~10位は300ポイント内なのだから、1ヶ月でランキングが大きく入れ替わる可能性は十二分にある。
- Bryan/Bryan Vs Peya/Soares Madrid 2013 Final HIGHLIGHTS [HD]
動画は、MSマドリード大会決勝のハイライト。
と同時に、顔ぶれを見ると昨年、一昨年の最終戦の顔ぶれと違っていることに気付く。
これについて昨年秋頃に「来年はペアがいくつか入れ替わるらしい」というブログを書いたけれど、そこで報じられていたペアのいくつかは、今年前半で早くも解消→別チームを結成ということになっている。まずコンビを解消したのが
そして新たに組んだのが
この辺りは4月頃の海外の記事でも既に報じられていた。
今シーズンから結成したリンドステッド/ジモニッチ組は2月のロッテルダム大会(500)で優勝したものの、その後はあまりいい結果が残せず、3月のマイアミ大会後にコンビを解消した模様。相性的にどうかなぁと思ってはいたが、これも仕方ないか。
クレーシーズンが始まってからはジモニッチはフランスのベテラン、ベネトーと組み、MS1000のモンテカルロで優勝するなどなかなか好調。上の4月の記事では「このチームは全仏まで」みたいなことを言っていたが、今週のロンドン大会にもこのペアでエントリーしている。全仏ではRd.2で敗れてしまい、消化不良だったのかも?
ネスター/ブパシ組もやはりマイアミ大会で別れた模様。上記のデイリーメイルIndiaの記事には「ブパシはネスターとのペアを続けたいと思っていたが、ネスターがリンドステッドと組むことを選んだ」とあり、この辺りも色々事情やら思惑やら、絡んでいたんだろうか。で、結局ブパシは昨年組んだボパンナと再結成。昨年は最終戦で準優勝するなど結果を出してきたチームであり、ボパンナにとってはうれしい限りだろう。
そしてリンドステッド/ネスター組。
'10シーズンまで組んでいたネスター/ジモニッチ組は、ブライアン兄弟に比肩し得る最有力チームとして、GSや最終戦などで多くの栄冠を手にしてきた。ジモニッチとリンドステッドは超攻撃型の似たスタイルだけに、それを上手くコントロールするベテランのネスターと組めばいいペアリングだと思ったのだが……どうも結果が着いてきていないような。今週エントリーのロンドンも、初戦(Rd.2)で、チリッチ/デルポトロの急造?長身ペアにあえなく敗退。
リンドステッドはH・テカウとのコンビで、昨年まで3年連続、ウィンブルドンでは決勝で涙を飲んでいる。だからこそこのタイトルは何が何でも欲しいだろうし、百戦錬磨のネスターと組むことを決めたのはそのためもあるだろうが……。ネスターはツアー史上でも数少ない「キャリア・ゴールデンスラム」を達成している、ダブルスではそれこそレジェンド級の猛者ではあるけれども、さすがに40歳を過ぎて寄る年波には勝てなくなってきたのか……。これはブパシやR・パエス、M・ミルニーなど、00年代後半のダブルスツアーで活躍してきたその他の選手にもいえることかもしれないが。
これについては5月に、「ダブルス:移行か終焉か」と題した、こんな記事が出ていた。
- The doubles game: transition or termination? [Sportskeeda 5/20]
いずれにせよ、昨年までの強豪チームの多くが解散→シーズン途中でパートナー変更or急造ペアで出場―いう流れが例年にも増して顕著なことが、ブライアン兄弟の一人勝ち、もとい一組勝ちという現状の理由なんだろう。
さて。
ドイツ、ハレでは、いつものツアー大会ではダブルスに出ることが稀なR・フェデラーがT・ハース(昨年の決勝で対戦した2人)と、そして錦織がM・ラオニッチ(これは昨秋の楽天OP決勝の2人)と、それぞれ組んでエントリーしていた。
フェデラー/ハース組は'10年WB優勝のJ・メルツァー/P・ペッシュナー組に初戦で敗れてしまった。錦織/ラオニッチの"次代のホープ"ペアは、1回戦で#1シードのケレシ/ロジェール組をフルセットで破って勝ち上がったものの、2回戦ではコールシュライバー/ユーズニーのペアに残念ながら負けてしまった(錦織は単複共にベテラン、ユーズニーにやられたことになる)。
フェデラーや錦織が普段滅多に出ないダブルスに出場したのは、少しでもグラスコートでの実戦を経験しておこうという意図からなのだろうけれど、いつもは観られないペアと、ダブルスのプレーが見られるというのは、観ている側からすると非常に面白い。
ツアー最終戦を除くと、テレビではほとんど放映がないプロのダブルス。
GAORAでは今年もウィンブルドンのダブルス(男/女/ミックス)を7/7から放送するとのこと(大会期間終了後、録画による放送)。
少数派なダブルスファンとしてはとても嬉しいしありがたいのだが、どうせなら他の3つのGSのダブルスもGAORAでやってくれたらなぁ……というのは贅沢言い過ぎ、かw
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そういえばダブルスって日本人選手が出場しなければ
報道されませんよねぇ。。。(@@;)))
by 獏 (2013-06-15 04:29)
>獏さん
もともとダブルスはあまりニュースで採り上げられないですね。日本人選手が(ペアの片方だけでも)メジャー大会で勝ち進んでも、何かのニュースのついで扱いですし。
シングルス以上に駆け引きがあって、観ているだけでもダブルスは面白いと思うんですが、シングルス偏重なのは世界的な傾向のようです。
by るね (2013-06-18 00:26)