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英国はEU離脱へ―孤高か孤立か [Other Topic]

 全仏オープンが終わって3週間。
 テニスのツアー界は赤土からグラス(芝)へと舞台を移し、明後日(27日)には―テニス界の最高峰―今年のウィンブルドン選手権が開幕する……。

 のだが。
 そのウィンブルドンが開催されるロンドン……英国では、EU離脱か残留かを問う国民投票が行われ、離脱派が過半数を占めたとのこと。その影響はEUどころか日本やアメリカを含む世界経済全体に波及しているようで。
 一週間前には残留を主張する下院議員が殺害されるという悲劇もあって、事前の報道では「なんだかんだ言っても残留になるだろ」的語調が多かったようだが、フタを開けてみればこの結果。

  本日配信のニュース記事(↑)である程度理解することができたのだが、英国と他のEU諸国―欧州との特殊で根深い関係が、ここに来て経済格差や移民問題等々が絡まったことで、このような結果になった、ということなのか。
 ま、英国(+アイルランドも)は地勢的にも島国だし、通貨も€(ユーロ)にせず頑なに£(ポンド)で通してきたから、「ウチはよそさん(他のEU諸国)とは違いますんで」的な思いは、ずーーーっとあったのかも。

 EU内で張り合ってたドイツ、フランス、そしてイギリスって、決してお互いに仲良しじゃあないもんなぁ。 

IMG_20160625_182006.jpg

 

 

 

 こんな一コマを思い出した(→『ヘルシング』第3巻)。
 ”栄光ある孤立”なんて100年ちょっと前にのたまっていた国ですからねぇ。

 現在の大英帝国(UK)を形成する1つ、スコットランドはEU残留を望む声が多数だったようで、今回の結果を受けてUKからの独立を目指す動きが再燃しているとか(スコットランドとイングランドも決して仲は良くない)。
 混迷の度はますます深まっていくようで……。
 ドル安、ユーロ安の今のうちに海外通販するか、なんて呑気なことを言ってる場合じゃないな、こりゃ。 

 離脱派が勝利を収めた要因の一つが、移民問題、海外からの低賃金な労働力流入によって、英国内の労働者階級が逼迫しているということだったのだけれども。 
 で、思い起こしたのがこの曲。

 

  • London - Pet Shop Boys (2002) 

We came from the far North
summered in Crimea
deserted the armed forces
had to disappear
made it to the free West
on a chartered flight
so we could see what
we trained to fight

We were in London
"Let's do it - let's break the law!"
We were in London
Tell it like it is
We were in London
Tell it like it is

Looking for hard work or credit card fraud
What do you expect from us?
We come from abroad
to get ourselves a new job on a building-site
They work you so hard
but we trained to fight

We were in London
"Let's do it - let's break the law!"
We were in London
Tell it like it is
We were in London
"Let's do it - let's break the law!"
We were in London
Tell it like it is

My father fought in Afghanistan
His widow's pension ain't worth a damn
My mother works and goes home to cry
I want to live before I die

We were in London
"Let's do it - let's break the law!"
We were in London
Tell it like it is
We were in London
Tell it like it is 

 14年前の曲だけれど、現在の状況につながる萌芽は、この頃から既にあったってことかも。


 

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「文豪山怪奇譚 山の怪談名作選」 [Book - Horror/SF/Mystery]

 明治~昭和初期の文豪による山の怪談アンソロジー。 

「文豪山怪奇譚 山の怪談名作選」 編)東雅夫(山と渓谷社刊)

◆内容紹介
文豪たちが遺した異世界としての「山」。斯界の雄・東雅夫の選によるかつてないアンソロジー。

われわれ日本人にとって、最も身近な「異界」である山々は、山神や山人、鬼や天狗、狐狸や木精といった魑魅魍魎のふるさとであると同時に、日本の怪談文芸や幻想文学の豊饒なるふるさと、原風景でもある。
近代の文豪から現代の人気作家まで、数多くの作家が、深山幽谷を舞台とする神秘と怪異の物語を手がけてきた。
本書は、山を愛し読書を愛する人々にとって必読の名作佳品を集大成した史上初のアンソロジー企画。
 

  • 収録作品
    千軒岳にて  火野葦平
    山の怪  田中貢太郎
    くろん坊  岡本綺堂
    河原坊  宮沢賢治
    秋葉長光―虚空に嘲るもの 本堂平四郎
    百鬼夜行  菊池寛
    鉄の童子  村山槐多
    鈴鹿峠の雨  平山蘆江
    薬草取  泉鏡花
    魚服記  太宰治
    夢の日記から  中勘助
    山人外伝資料  柳田國男
     編者解説  東雅夫 

 山というものは日本人にとっても身近でなじみ深く、その一方で現代もなお”異界”としての貌も持ち続けている領域であることは、今さら言うまでもない。山歩きとか登山とか、そっち方面のアウトドア的活動にはほとんど縁のない自分ではあるけれども、過去にブログにも書いた安曇潤平氏の「赤いヤッケの男」「黒い遭難碑」などの山岳怪談集で、登山とは薄紙一枚隔てて”死”というものがある―ということを思い知ったわけで(↑はフィクション部分もかなり含まれてはいるようだが)。

 本書はこの手の怪談集やアンソロジーを出しているような出版社でなく、至極まじめな(って、怪談本を出している出版社が不真面目ってことじゃないが)登山等のアウトドア、旅行やスキー等の専門誌、書籍類を刊行している、山と渓谷社から刊行されている。 安曇氏の山岳怪談と同系列とも言える『山怪 山人が語る不思議な話』(田中康弘著)がちょうど1年前に刊行され、評判になったこともあるのだろう。

 で、中身は上記の通り、近代の文豪による”山”を舞台とした怪談奇譚集ということなのだが……。

 山に棲む異形との異種婚譚、凄絶な因果譚ともいえる岡本綺堂「くろん坊」や、峠越えで不可解な男女二人連れにつきまとわれる平山蘆江「鈴鹿峠の雨」などは純粋な怪談としての怖さ。噴火した火山と河童達の様を鮮やかに幻視した「千軒岳にて」(火野葦兵)や、剛胆な猟師が山の妖に翻弄される様を、恐ろしくもどこかとぼけた味わいで描いた、田中貢太郎の掌編「山の怪」、主君の代参を命じられた豪傑の化物退治譚「秋葉長光―虚空に嘲るもの」(本堂平四郎)等もあるが、その他はややファンタジックであったり、これが山の怪談?と首を傾げてしまうようなものも。

 巻末の柳田國男「山人外伝資料」は、山人と呼ばれる存在の説話を柳田が解説と共に紹介したもので、子供向けの昔話や民話に登場する山男、山姥、山童等々が、昔日に逐われて山へ入った前住民の末裔であるという説もなるほどと頷ける(柳田は山人とサンカを区別しているが)。

 開発が進み相当の範囲で拓けたと思われる現在もなお、ある面で"異界"として在り続ける「山」。江戸や明治の時代は、現代からは想像もつかぬほどに別世界であり、不可思議な存在もまた、生命を持って其処に息づいていたのだろう。 

  全体として、この編者らしいアンソロジーだな、という印象だが、別レーベルの文庫として出ていたとしたら、果たして手が伸びていたかどうか……。 

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「怖いクラシック」 [Book - Public]

 8つの「恐怖」のキーワードを切り口に、偉大な作曲家とその作品、西洋音楽史を概観する。 

「怖いクラシック」中川右介(NHK出版新書刊)

◆内容紹介(カバー見返しより)
クラシック音楽は、いつかららか「癒しの音楽」と喧伝されるようになったが、その王道は「怖い音楽」に他ならない。父、死、神、孤独、戦争、国家権力―。名だたる大音楽家たちは、いかにこれらの「恐怖」と格闘し、稀代の名曲を作り上げてきたのか。モーツァルトからショスタコーヴィチまで、「恐怖」をキーワードに辿る西洋音楽史の二〇〇余年。

 ホラー映画をはじめとした映像作品において、恐怖感を盛り上げる上でのBGMの重要性は今更触れるまでもない。映像ばかりでなく、曲単体でも聴き手に何らかの"怖い"イメージを喚起させ、「怖い」音楽だと思わせるものも、世の中には数多くある。
 あるいは、何らかの恐ろしい、強烈な印象がある曲と結び付いてしまい、曲を聴くたびにその記憶が甦る―ということもある。これはかなり限定的な個人体験に依るのだろうが。

 20数年前、大学の生協辺りで購入したクラシックのコンピレーションCDが手元にある。クラシック曲を様々なテーマ別に揃えたシリ-ズの1枚で、「グレイテスト・ヒッツ1200 死者もよみがえる…?」なるタイトル。「おどろおどろしい曲ばかり選んでしまった肝だめし的アルバム」とのこと。
 バッハ「トッカータとフーガ ニ短調」の管弦楽Ver.に始まり、サン=サーンス「死の舞踏」、ムソルグスキー「はげ山の一夜」、ベルリオーズ「幻想交響曲~断頭台への行進」、リスト「メフィスト・ワルツ」などが収録されているが、殊更おどろおどろしい、「怖い」というわけでもなし(「はげ山の一夜」だけは、ゴヤのこの絵を常にイメージしてしまうが)。

 本書も、書店の店頭で一見した際、そういった曲を採り上げたものかとも思ったが、実際に手に取ってめくってみると、むしろ中野京子女史による「怖い絵」シリーズのクラシック版のような本かと気付く(実際、本書がそのシリーズから着想を得たことを、著者が「まえがき」で述べていた)。 

  • はじめに―美は「恐怖」に宿る
  • 第一の恐怖 父―モーツァルトによる「心地よくない音楽」の誕生
  • 第二の恐怖 自然―ベートーヴェンによる「風景の発見」
  • 第三の恐怖 狂気―ベルリオーズが挑んだ「内面の音楽化」
  • 第四の恐怖 死―ショパンが確立した「死のイメージ」
  • 第五の恐怖 神―ヴェルディが完成した「宗教のコンテンツ化」
  • 第六の恐怖 孤独―ラフマニノフとマーラーの「抽象的な恐怖」
  • 第七の恐怖 戦争―ヴォーン=ウイリアムズの「象徴の音楽」
  • 第八の恐怖 国家権力―ショスタコーヴィチの「隠喩としての音楽」

 モーツァルトで始まり、掉尾を飾るショスタコーヴィチまで、父、自然、狂気、死、神、孤独、戦争、国家権力という8つの「怖い」キーワードを切り口に、偉大な作曲家とその作品群、各々の時代背景を読み解いていく。

 確かに、本書内で採り上げられた曲を見ると、ベルリオーズの「幻想交響曲」を除けば、前述のCDに収録されたような曲はほぼ登場しない。「怖い怖い」といいながらも、ホラー映画の劇伴のようなショッカー的音楽―著者は”インタープンクト”と称している―を紹介しているのではなく、あくまでも作曲家たち中心に、当時の文化風俗も併せて西洋音楽史を概観しているスタンス。さらには、交響曲やオペラ、レクイエムといったジャンル別の略史としてもまとめられている。
 その意味では本書のタイトルは虚仮おどしと見えなくもないが、「クラシック音楽=癒し」という、巷の安直(かつ誤った)な印象を覆す、大作曲家たちが対峙し格闘してきた"恐怖"こそが音楽史を作り上げてきた―という、著者の主張を端的に表す意味では、このタイトルになるのだろう。

 第七、八章で書かれているヴォーン=ウィリアムズや、ショスタコーヴィチの交響曲第5番以外は未聴なので、Youtube辺りでさわりだけ聴いて見ながら、その章を再読してみようか……な。 


 ちなみに、Amazonでの本書のレビューを見てみると、曲そのものが”怖い”と思わせられるようなクラシックのCDもいくつかあるらしい。 収録曲を検索してみると……ちょっと興味あったり、なかったり。 

 

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ジョコビッチが全仏初優勝 [Tennis - Pro Tour]

 異なる結果にならなかったら、全仏オープンに触れる気はなかったんだがw

 全仏では4度目の決勝で悲願の初優勝を遂げたジョコビッチ。昨年の決勝ではS・ワウリンカに敗れてから以後、ウィンブルドン、全米、今年に入ってからも全豪、そして全仏とグランドスラム大会で4大会連続で優勝、さらにはキャリア・グランドスラム(キャリアを通じて4大大会を全て制すること)を達成した。

 これでR・フェデラー、R・ナダルに続いて、現役に3人ものキャリア・グランドスラマーが存在することになる。

 '09年にフェデラーが、同じく全仏を制して生涯GSを達成するまで、男子で年間/生涯を含めてグランドスラムを達成したのは過去にたった5人。'99年にA・アガシが(これまた全仏を制して)史上5人目の(キャリア・)グランドスラマーとなったが、それ以前は1968年のオープン化(アマチュア専門の大会だったGSがプロに門戸を開いた)直後の'69年に・R・レーバーが自身2度目の年間GSを達成したのみ。
 '80、'90、そして'00年代と名だたる強豪、名選手が数多くいたが、それらが皆「グランドスラム4大会全制覇」を成し遂げ得ずにラケットを置いていったわけで。

 それが現在、現役に3人ものグランドスラマーがいるのだから、現在が如何に凄い―あるいは稀有というか、異様というか、観る側にとっては幸せな―時代なのかということ、なんだろう。

 テニス自体の技術、ラケットやシューズ等のギア等々の進化、コートやボールの均質化、低速化etc、様々な理由はあるだろう。だが何れにせよ、現代のプロテニス界のトップ選手は皆(もちろん、錦織選手も含め)、技術も体力も超人的なレベルにあるということは間違いないわけで、そのトップに君臨するジョコビッチというプレイヤーは、まさに超人なのだろうな、と。

 最後に、全仏で初の決勝進出を果たしながら4セットで敗れ、GS4大会全てで準優勝を果たした"世界ランク2位"A・マレーの言葉を引用しておく。

ノバクが過去12か月間で達成してきたことは驚異的だ。
年間で全てのグランドスラムを制するなんて、信じられない。
テニス界でもなかなか起こらないことだ。
……個人的には試合に負けて最悪だけどね。
 

 個人的にもガッカリしたよ、アンディ。

 ……AFPのニュースがブログに転載できなくなっていたのを今日知って、さらにガッカリ……。 

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SHAKAの別注HIKER [Clothes/Shoes/Goods]

 またまた(何度目か!?)ご無沙汰してしまいました、かれこれ約2カ月。
 筆ならぬ更新記事のキーを打つ指が鈍っていたのは事実でありまして……いや、単にここ1、2年のように、公私あれこれに追われていただけのことなのですが。

 世の中でも、九州の震災をはじめ大きな出来事が多々ありましたが、それら個々についての今更なコメントは差し控えたいと思っております。
 ご寛恕の程を。

 ここで踏ん切り?をつけて更新をかけないと、またぞろズルズルとサボり期間が伸びて行ってしまいそうなので、しれっと復活します。


 6月に入り、季節が夏へと向かっているのを感じる今日この頃。
 蒸し暑さも増して来ると、服装だけでなく足下も涼しくしたいと思うもので、(状況が許される限り)サンダルの出番が増えてくる。

 2年前にこんな記事を書いていた。

 2年前で18年目なので、今年で20年目になるNIKEのAIR RAYO。一昨年で履き潰すつもりが、昨年の夏もヘタらずに乗り切ってくれていたけれど、今年になって踵部のエアが抜け気味になってきた。さすがに限界かな、と。

 ところで。
 4月に出ていた某モノ情報誌を見ていたところ、惹かれたサンダルがあった。BEAMSがファミリー3世代向けに、4年前に立ち上げた「B:MING LIFE STORE by BEAMS」が、南アフリカの復刻ブランド、SHAKAに別注をかけたモデル。
 この手の別注モノって、雑誌に出たら大概は即完売なんだよなぁ、と思いつつ、オンラインストアをチェックしてみれば、目ぼしいサイズはやはりほぼ完売。しゃーない、仕様の違う通常モデルでもいいか……なんて考えていた。

 先月末、別の買い物で久しぶりにららぽーと立川に立ち寄った際、ビーミングの店舗がここに入っていることに気付いたので、諦め半分に覗いてみると……なんと、店頭にあるじゃないのw
 しかしながら試し履きしてみるとややキツい。一つ上のサイズが別店舗にまだ残っているというので取り寄せてもらい、そっちを試し履きした上で購入するか決めることに。

 で、仕事上りついでに行ってきたのが今日。サイズ的に問題ないので、購入。 

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 SHAKAの「HIKER」、いわゆる”グルカサンダル風”なモデル。
 爪先が覆われていない方が当然解放感があるわけだが、左足の爪が3本ほど歪に変形してしまっているので、素足はあまり見せたくないという気持ちもありまして。
 別注モデルは、通常ラインにはないオールブラック、しかも踝部のストラップ留めがベルクロではなく、バックル仕様(写真右)になっているのが気に入った点。

 サンダルはソックスなんか履かず、素足で履くものだろ!と常々思っていた(←頭がカタいだけ)が、これだったらソックスを履いていても、違和感ないかも。

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 こんな感じで。 

 さてこのHIKER、この先何年、夏のお供に頑張ってくれるかな……。 

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